栃(とち)の木の魅力と利用方法を徹底解説

2024 / 7 / 1

栃(とち)は、日本を代表する広葉樹の一つで、本州、四国、九州と広い地域に生息しています。ブナ科の落葉広葉樹であり、秋には美しい紅葉を楽しむことができます。木材として家具や彫刻、茶道具、日用品などに広く用いられています。栃の木材は、その優れた特性から多くの用途で重宝されており、日本の伝統工芸や現代のインテリアにおいても高く評価されています。今回は栃の木について、詳しく解説します。

栃(とち)の特徴

栃の木は春になると白い花を多数つけます。花蜜が多く、ミツバチの優れた蜜源植物です。栃の近縁種にはヨーロッパ産のマロニエ(セイヨウトチノキ)や、赤い花が特徴の北米原産アカバナトチノキ、そしてこれらの雑種であるベニバナトチノキがあります。

栃の実と呼ばれる果実の中にある種子は、デンプンやタンパク質を多く含み、あく抜きをして栃餅などを作って食用にされます。栃の実の食用の歴史は古く、縄文時代から食べられていたと言われています。調理に非常に時間がかかるため、現在では食料としての役目を終えた栃は伐採され、木材として活用されるようになりました。しかし、渋抜きした栃の実をもち米と共に搗いた栃餅や栃煎餅が、郷土食として現在でも受け継がれています。

語源

栃という名前の語源には諸説ありますが、その昔、村の境界線に植えられ、「おらが村の土地だ」との意から「とち」と呼ばれるようになったとの話があります。また、実にたくさんの種が実ることから「十」と「千」の木で「栃」と名付けられたとの説もあるようです。

特別天然記念物
石川県にある「太田の大トチノキ」は、樹齢約1300年、幹周約13m、樹高約25mの巨大なトチノキで、特別天然記念物に指定されています。この大トチノキは、古代から現在まで長い年月をかけて成長しており、その壮大な姿は多くの人々に感動を与えています。

家具・インテリアへの使用用途

家具としての活用例
栃の木材は、加工しやすく大径材が得られることから、建築材や彫刻材、薪炭など、幅広い用途で使用されています。特に家具においては、その美しい木目と色味、加工のしやすさから、ダイニングテーブルやデスク、キャビネットなど多くの製品に用いられています。栃の木材は、加工後もその美しさを保つため、高級家具の材料としても人気があります。

栃の木材は堅い広葉樹であり、比較的頑丈です。家具に加工すれば長く使い続けることができます。強い衝撃を与えない限りは長期間使用できるため、日常生活での使用においても問題なく耐えられます。この耐久性は、栃の木材が多くの家庭で愛用される理由の一つです。

インテリアとしての活用例

栃の木材は、その「縮み杢(ちぢみもく)」と呼ばれる独特の木目模様が魅力です。縮み杢とは、木が自然の外圧によってねじれたりすることによりできた、複雑な木の模様のことを指します。木の幹のシワのようなものです。色合いが一定ではなく、豊富な色を楽しめるのも特徴の一つです。縮杢のある部分を彫刻やオブジェにして部屋のアクセントにすることもできます。同じ木目が現れることがないため、世界に一つだけのインテリアを作ることができます。特に一枚板テーブルのようにダイニングテーブルなどに使用されることが多く、リビング・ダイニングの顔となる木材として親しまれています。

木材の品質と選定基準

色味・ツヤ

栃の色合いは非常に多様で、大きく分けると金色、白色、赤色に分けられます。

  1. 金色の栃の木材:縮み杢が多く含まれているのが特徴です。金色にきらめくため、高級感のある雰囲気を醸し出したいときにおすすめです。
  2. 白色の栃の木材:希少価値が高く、高価で取引されています。光を反射する性質があるため、明るく清潔感のある印象を与えたいときに最適です。
  3. 赤色の栃の木材:一般的に広葉樹の木材としては強度が高いとされています。高級感や重厚感を与えるため、家具や建築材に多く用いられます。

木目

栃の木目は、シルクのようななめらかな木肌と光り輝くような美しさが特徴です。特に縮み杢がある場合は、さらに希少価値が高くなります。

加工技術

栃の木材は加工がしやすく、削りやすいのが特徴です。切削面は滑らかで、細かい彫刻にも適しています。加工後の仕上がりが滑らかで、細かい彫刻や曲線が美しく表現できるものが良いとされています。栃の木材を扱う際には、経験豊富な職人や専門業者の手腕が求められます。

メンテナンスとケアのポイント

ウレタン塗装の場合

ウレタン塗装の家具は、水拭きやお湯拭きだけで十分です。内部に水や汚れが染み込まないので、それほど気を配る必要はないでしょう。汚れがひどいときは、薄めた中性洗剤→水拭き→乾拭きの順番で手入れを行います。

オイル仕上げの場合

ウレタン塗装と同様、柔らかい布で表面の埃を軽く拭き取りましょう。手垢や軽い汚れは、布に家具用のオイルを少量含ませて拭き取ります。年に1~2回程度、家具用のオイルを再塗布することで乾燥を防ぐことができますよ。

ワックス仕上げの場合

柔らかい布で表面の埃を軽く拭き取ります。ツヤがなくなってきたら、表面を軽くサンドペーパーで磨いてから家具用のワックスを塗布しましょう。乾燥させた後に布で磨くことでツヤが出ます。

まとめ

栃はその美しい木目と多様な色味、優れた耐久性から、日本の伝統工芸や現代のインテリアにおいて高く評価される広葉樹です。家具やインテリアのアクセントとして取り入れることで、空間に独自の魅力と高級感を加えることができます。選定や加工、メンテナンスには専門知識が必要ですが、その価値は十分にあります。栃の木材を取り入れることで、長く愛用できる美しい家具やインテリアを手に入れることができるでしょう。

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