森林破壊の原因とは?根源と影響を解説

2024 / 7 / 1

森林破壊の現状

世界の森林は急速に減少しており、1990年から2020年の30年間で、約1億7,750ヘクタールの森林が失われました。これは毎年平均592万ヘクタール、1分間に東京ドーム約2.5個分の森林が消失している計算になります。特に熱帯地域での森林破壊が顕著で、南米のアマゾン、アフリカのコンゴ盆地、東南アジアのインドネシアなどで大規模な森林減少が進んでいます。

一方、日本の森林面積は国土の約67%を占め、先進国の中では比較的高い森林率を維持しています。しかし、日本の森林にも課題があり、多くが人工林で適切な管理を受けておらず、荒廃しつつあります。過疎化と高齢化が進む山間部では森林管理が難しく、木材価格の低迷や担い手不足により国内の林業が衰退しています。また、外来の病害虫による森林被害が拡大しています。

森林破壊の原因とは?

農地開発

農地開発の一つである焼畑農業は、森林を焼き払ってその土地を耕作地として利用する伝統的な農業手法ですが、数年で土壌の栄養が尽きるため、再び肥沃な土地を求めて新しい森林を焼き払う必要があり、森林の回復を待たずに繰り返し焼き払われることで森林が消失しています。また油ヤシ、大豆、コーヒー、カカオなどの商品作物を大規模に栽培するプランテーション農業のため、広大な森林のプランテーションも森林破壊の一因になっています。

違法伐採

法律を守らずに木を切り倒す違法伐採では、森林の回復力を超えた伐採が行われるため、野生動植物の生息地が失われ、生物多様性が脅かされるとともに、不当に安い木材が流通することで林業の経営を圧迫しています。

鉱山開発

地下資源(鉱物、金属、石炭など)を採掘する鉱山開発は森林を伐採して採掘場や関連施設(道路、宿泊施設、処理施設など)を建設しますが土壌や水質を汚染し周辺の森林生態系に悪影響を及ぼすうえ、採掘後の土地は荒廃し、森林の再生が困難になることが多いのです。特に熱帯雨林は森林伐採により、多くの動植物の生息地が失われ絶滅の危機に瀕する事態になっています。さらに、鉱山開発に伴う化学物質の流出や土壌の流出が河川や地下水を汚染し、周辺の生態系や人々の生活に悪影響を及ぼします。

都市化とインフラ開発

発展途上国の大都市周辺では人口増加に伴い、住宅地や商業施設、高速道路の建設のために森林が伐採され、都市に転換されています。また、電力供給や灌漑のためのダム建設により、広大な森林が水没することがあります。これらの開発は、森林生態系の破壊や生物多様性の喪失、気候変動の加速などの環境問題を引き起こすため、都市計画やインフラ整備において森林保護を考慮に入れることが重要です。

気候変動

2019年のオーストラリアやアマゾンの大規模森林火災は、異常な高温と乾燥が原因で大規模な森林が失われました。さらに、気候変動に伴い、干ばつや豪雨、強風などの極端な気象現象が森林の劣化や破壊につながっています。

森林破壊の影響

多様な生物への影響

世界の野生生物種の半分以上が森林に生息しているため、森林破壊は多くの種の生存を脅かします。森林をすみかとする世界の野生生物のうち、1万4,000種以上が絶滅の危機に瀕しています。熱帯雨林では、毎日約100種の動植物が消失していると言われているのです。森林に住む生き物は、食物連鎖や共生関係など複雑なつながりを持っているので、一つの種が絶滅すると、それに関連する他の種にも影響が及び、生態系全体のバランスが崩れてしまう可能性があります。

気候変動の悪化

森林は光合成を通じて大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、炭素を樹木や土壌に蓄積します。森林が伐採されると、この炭素吸収能力が失われ、大気中のCO2濃度が増加します。森林は気温や湿度を調節する役割を果たしており、森林が失われると地域の気候が変動しやすくなり、極端な気象現象(干ばつ、洪水、熱波など)の発生頻度が増加します。さらに森林破壊による温室効果ガスの増加は、地球温暖化を加速させ、極地の氷が溶ける原因となり、海面上昇、沿岸地域の浸水リスクが高まるおそれがあるのです。

水循環の破壊

森林の樹木や下層植生は、雨水を葉や枝で受け止め、徐々に地面に浸透させる役割を果たしているため、森林が失われると、この保持能力が低下し、雨水が一気に地表を流れ出してしまいます。大雨時に水が一気に河川に流れると、洪水のリスクが高まり土砂崩れや鉄砲水のリスクも増加します。また、森林は自然の浄水器の役割も果たしていますが、森林破壊により、この浄化機能が失われ、河川や地下水の水質が悪化する可能性があります。

人々の生活への影響

森林は多くの生態系サービス(空気の浄化、水の浄化、気候の調節など)を提供しているので、失われると、空気や水の質が悪化し、健康被害が増加することもあるのです。また、森林資源(木材、薬用植物、食用植物など)が失われることで約2億5,000万人の人々の生活基盤を脅かします。

これからの取り組み

森林破壊の影響を防いでいくためには、さまざまな取り組みを行うことが必要です。例えば、森林を長期的に利用するために計画的な伐採と再植林を行い、森林資源が枯渇しないように地元のコミュニティと協力して、地域全体で森林の保護と管理を進めることが期待されます。また、伐採や自然災害で失われた森林を再生するために、多様な種類の木を植えることで、生態系を豊かに保ち、失われた森林が再び成長し、自然環境が回復します。森林を守るために、違法な伐採を防ぐ取り組みです。政府や地域の監視システムを強化し、違法活動を早期に発見して取り締まることが求められます。厳しい罰則を設けることで、違法伐採の抑止力を高めることも重要です。

他にも、環境教育で全体の意識向上を図ったり、持続可能な農業やエコツーリズムの推進をしたりといった具体的な活動を広めていくことが大切でしょう森林保護のためには、各国が連携して森林保護協定を締結し、技術や資金の支援を行い、森林保護の取り組みをサポートすることが急務です。これらの取り組みを組み合わせて実施することで、森林破壊の影響を防ぎ、持続可能な未来を築くことに近づきます。みんなで協力して森林を守り、次の世代に豊かな自然を引き継ぎましょう。

一枚板のダイニングテーブル・無垢材家具の販売 祭り屋木材のサイトはこちら
祭り屋 公式ネットショップ
https://www.maturiya.co.jp/ 

祭り屋 海老名店(直営ショップ・ショールーム)
https://www.maturiya.co.jp/fs/kagu/c/store#ebina

祭り屋 東五軒町店(直営ショップ・ショールーム)
https://www.maturiya.co.jp/fs/kagu/c/store#higashi

Back