タモ材の魅力を徹底解説!特徴と使い方

2024 / 10 / 21

タモ材は、均一で美しい木目と優れた耐久性で知られる木材です。家具や建造物のほか、野球のバッドや楽器など幅広い用途で使われ、日本でも古くから愛用されてきました。ナラ材やオーク材と見た目がよく似ているため、違いがわからないことも多いのではないでしょうか。今回は、さまざまな用途で使われるタモ材の特徴や使い方、選び方などを解説します。

タモ材とは

まずは、タモ材がどのような木材なのか、産地や種類、加工方法を詳しくご紹介します。

産地・種類

タモは、モクセイ科トネリコ属に分類される広葉樹。アメリカのホワイトアッシュなども、タモと同じトネリコ属です。日本では北海道や本州北部に自生しており、ロシアや中国などの外国産も流通しています。ほかの樹種に比べると、産地による違いはそれほどありません。 語源には諸説ありますが、曲げても折れにくいことから、「たわむ木」が転じてタモになったという説も。タモ材にはアオダモやヤチダモが使われ、ヤチダモは谷地(ヤチ)などの湿地を好んで生えていることに由来しています。

ナラ材・オーク材との違い

タモ材とよく似ている木材として、ナラ材やオーク材があります。ナラやオークは、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹。この3つはいずれも白木の代表ともいえる天然木で、ナチュラル系のインテリアでもよく使われています。 ナラ材やオーク材には、木目に虎斑(とらふ)という虎の毛皮のような模様がありますが、タモ材にはありません。見た目で見分ける際は、虎斑の有無を確認するとよいでしょう。ナラ材やオーク材はタモ材よりも価格も高めです。

加工方法

年輪が明瞭で木目が真っ直ぐ入っているため、木の根元から先端まで均等な木目を得られるのが特徴。無垢の一枚板のほか、複数の板を結合させた集成材にも加工されます。強度が高く、一般的な木材と比較すると、手作業での加工は難しいのが特徴です。 その硬さゆえに、細かい加工や装飾を施すには向いていない樹種でもあります。家具などに使われる場合は、複雑な加工が必要ない、シンプルなデザインに用いられることが多い傾向です。

タモ材の特徴 | メリット・デメリット

均一で美しい木目。耐久性が高くなめらかな手触り

タモ材の魅力は、はっきりとした木目と明るめの色です。力強く美しい年輪模様を楽しめる一方、柔らかい印象を与える点が大きなメリット。淡い色合いが自然なグラデーションを作り出し、ナチュラルな雰囲気を醸し出します。タモ材は手触りがなめらかなところも魅力。触り心地のよさを活かし、楽器などにも使用されています。また、しなやかで強度があり、耐久性が高いという特徴も。ナラ材に比べると反りや割れが起こりにくく、衝撃にも強いため、長く使える木材です。

硬いため加工しづらく、コストがかかる面も

硬くて丈夫なタモ材は、加工の難易度が高いというデメリットもあります。タモは密度が高く重さもあるので、DIYなどで加工するのは難しいでしょう。ただし硬いからこそ、家具やフローリングなどで使用した際、耐久性を高められるというメリットにもつながります。タモ材は、見た目の美しさや耐久性の高さから人気がある木材です。とくに、北海道産の上質なタモ材は流通量が減りつつあるため、価格も高騰しています。産地や質にこだわる場合、ほかの木材に比べるとコストがかかる可能性もあります。

タモ材がもつインテリアとしての魅力

タモ材は淡く白っぽい色が特徴で、部屋を明るく見せるのが魅力。均一な木目を楽しめるよう、一枚板を使うダイニングテーブルやドアにしつらえると、大きな存在感を放ちます。

ナチュラルなスタイルと好相性

タモ材はややグレーがかった色をしており、「木そのもの」のような色が特徴。年を経るごとに黄色味をおびた褐色へと変化し、味わいを増していきます。とくに、ナチュラルな北欧テイストと相性がよく、くすみカラーの壁紙やファブリックとも好相性です。まっすぐ伸びた木目は、シンプルモダンな部屋ともよく合います。すっきりした印象を演出してくれるので、グレーやブラックを使ったスタイリッシュな部屋にもぴったり。クールというよりやさしい印象が強いので、和室に合わせるのもよいでしょう。

手触りのよさを楽しむ

触り心地のよさを活かすなら、日常的に触れることの多い家具やフローリングに使うのがおすすめです。塗装や仕上げによっても変わりますが、ずっと触っていたくなるような、なめらかな手触りが楽しめます。手触りのよいタモ材は、毎日のように触れるダイニングテーブルや、それと合わせる椅子にうってつけ。大きなアイテムに使うことで木の明るさも引き立ち、インテリアに広がりと軽やかさをもたらします。

タモ材の選び方

タモ材を使った家具などをオーダーする場合は、以下のようなポイントを押さえて選ぶことが大切です。

部屋の雰囲気に合う色味を選ぶ

タモ材は、木の中心部から外側に向かうにつれ濃くなっていくグラデーションが楽しめるのも特徴。明るい色合いが特徴ですが、白っぽいものから淡い褐色まで幅があります。部屋の雰囲気に合ったものを選ぶようにしてください。天然木を使った家具等は、使っていくうちに色合いが変化する点にも注目。タモ材は、時間が経つにつれて色がやや黄色っぽく変化する特性があります。長期間使うのであれば、経年変化も考慮に入れて選ぶことが大切です。

木目が均一でムラが目立たないものを

均一で美しい木目が魅力のタモ材は、ムラがあると全体の印象が変わることがあるため、加工後の全体像をイメージして選ぶのがポイント。とくに、ダイニングテーブルのような大きな家具やフローリングに使用する場合は、木目のムラが目立たないものを選ぶことが大切です。また、木目は年輪が作り出す模様なので、どこを切り出すかによって模様はさまざま。代表的な木目には、「柾目(まさめ)」「板目(いため)」「杢目(もくめ)」があります​​。それぞれ印象が異なるため、インテリアに合わせて選び分けましょう。

  • ・柾目:木の中心部をカットすることで得られる、平行に通った木目のこと。すっきりとした印象を与える。
  • ・板目:木の外側をカットして作られる、山形の模様が特徴の木目。華やかな雰囲気を演出できる。
  • ・杢目:複雑な木の模様で、縮み杢(ちぢみもく)や縞杢(しまもく)などがある。個性的で希少価値がある。

塗装・仕上げ

家具で使う場合の主な仕上げは、ウレタン塗装・オイル塗装・ワックス塗装などがあります。

  • ・ウレタン塗装:家具の表面をポリウレタン樹脂でコーティングしたもの。汚れに強く、耐熱性・耐水性に優れている。
  • ・オイル塗装:植物性のオイルを浸透させたもの。木の手触りを楽しめる一方、輪染みなどが残りやすい。
  • ・ワックス塗装:固形や半固形のワックスでコーティングしたもの。しっとりしたオイル仕上げよりもサラッと仕上がる。

仕上げによって見た目の印象を左右するほか、メンテナンス方法なども異なります。ダイニングテーブルやローテーブルなどに使うなら、手入れが簡単なウレタン塗装を候補に入れましょう。日常的な手入れは拭き取るだけでよいので、きれいな状態を長くキープできます。

まとめ | タモ材の魅力を楽しもう

タモ材は、はっきりとした美しい木目と柔軟性の高さが特徴。耐久性もあり、手触りがよいという魅力があります。家具やフローリングなどで使うなら、その魅力を存分に活かしたいですよね。均一な木目が特徴とはいえ、木材には個性があります。気に入ったものを見つけたら、最適な加工を施して長く愛用しましょう。

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