2025 / 2 / 3
サペリはアフリカ原産の樹木で、木材は美しい木目と優れた耐久性を兼ね備えているので、高級家具だけでなく楽器や内装材などにも広く使われます。今回は、そんなサペリ材の特徴や魅力、マホガニーとの違い、そしてサペリ材を使ったインテリアの魅力についてご紹介します。
サペリとは、センダン科の落葉広葉樹で、コートジボワールやカメルーン、コンゴなど西アフリカから中央アフリカの熱帯雨林の豊かな森で広く自生しており、サペリという名前は、現地での呼び名に由来するといわれています。
樹木は高さ40m、直径1.5mにもなる巨木に成長するのが特徴で、灰色がかった茶色の木肌は樹齢を重ねると鱗片状に剥がれ落ちます。その美しい木目は古くから人々に愛され、家具や楽器、彫刻などさまざまな用途に利用されてきました。
サペリ材最大の魅力は、なんといってもその美しい木目。赤褐色の心材のストライプ状のはっきりとした木目に現れるリボン杢(もく)と呼ばれる縞模様が、見る角度や光によって表情を変え、まるで絹織物のような光沢を放ちます。また、柾目面にはリップルマークと呼ばれる波状の模様が現れることもあります。色は、桃色から赤褐色、ときには濃い赤褐色まで多彩な色合いです。
サペリ材は、気乾比重が0.64~0.77とやや重硬で、強度と耐久性に優れています。衝撃に強いのに加え摩耗にも強いので、家具や床材、楽器などに適した木材として人気です。加工性もよく、切削や研磨がしやすい木材ですが、乾燥にはやや時間がかかるという特性と、乾燥後は寸法安定性が高く、狂いが少ないという特徴も持っています。
上品で華やかな木目により、高級家具材として人気のサペリ材は、強度と耐久性にも優れていることから、長く愛用できる家具材としても最適です。加工性もよく、繊細な彫刻や曲線を描く家具にも向いているほか、年月を経るごとに深みのある色合いへと変化するので、使い込むほどに味わいが増します。
また、音響特性にも優れていることから、ギターやバイオリンなどの楽器を作る木材としても重宝され、その豊かな響きは、多くの音楽家を魅了しています。
見た目の美しさや温かみのある色合いなど共通点も多いマホガニーの代替材として使わることも多いサペリ材ですが、いくつか違いがあります。
1つは、サペリ材のほうがよりはっきりとした木目で、色合いはどちらも赤褐色ですが、より赤みが強く鮮やかで、光沢が強いこと。マホガニー材は、サペリ材に比べると木目は細かく、色味もやや褐色味が強く深みのある落ち着いた印象です。
2つめは、サペリ材はマホガニー材に比べて価格が抑えられており、入手しやすいこと。マホガニー材は、高級家具以外にも楽器や船舶の材料など高級品に使用されることが多いですが、サペリ材も、耐久性と見た目の美しさからマホガニー材の代替木材としても愛用されています。
サペリ材は、加工性に優れた木材で、比較的硬い木材でありながら切削や研磨などの加工がしやすいのが特徴。手工具でも機械でも扱いやすく、家具職人にとっては加工のしやすさが魅力のひとつといえるでしょう。
また、釘打ちやネジ止めも容易で、接着剤との相性も良いです。ただし、乾燥にはやや時間がかかるため、十分に乾燥させた材を使用することが重要です。きちんと乾燥処理が施されていれば寸法安定性が高く、家具として使用しても狂いが少ないというメリットがあります。
サペリ材は、その優れた特性から、家具材、床材、楽器材など幅広い用途に利用されています。
家具材として最も一般的な用途は、美しい木目と耐久性を活かした、一枚板のテーブル・椅子・キャビネット・ベッドなどの高級家具ですが、日常使いの家具にも幅広く使われています。
また、床材としても人気で、硬くて摩耗に強いのでフローリング材として使用すると、長期間にわたって美しさを保つことができます。また、独特の木目と色合いは、上品で温かみのある雰囲気を演出してくれるでしょう。
サペリ材は、音響特性にも優れているため、ギターやバイオリンなどの弦楽器のボディ材として使用されることが多く、その豊かな響きと美しい木目によって、プロの音楽家も満足させる素材です。
サペリ材は、インテリアに個性をあたえる魅力的な素材です。赤褐色の深い色合いと、縞模様や波状模様など変化に富んだ木目は、モダンな空間にはスタイリッシュなアクセントを、クラシックな空間には重厚感をプラスするほか、和テイストの空間にも、意外なほど自然に溶け込みます。
フローリング材にすれば高級感あふれる空間になり、テーブルやキャビネットなどの家具にすれば、お部屋の主役級の存在感を放ちます。小物に使っても空間にさりげない上品さをプラスしてくれます。
経年変化も楽しめるので、使い込むほどに色合いが深まり、光沢が増していく様子は「木の宝石」と呼ぶにふさわしいでしょう。
サペリ材の美しさを長く楽しむためには、適切な仕上げとメンテナンスが欠かせません。特徴を活かした仕上げ方法を選ぶことはもちろん、正しいお手入れをすることによって、表情は大きく変わります。
仕上げにはおもにオイル仕上げとウレタン仕上げがあります。オイル仕上げは、木肌にオイルを染み込ませ、本来の自然な風合いを引き出すので、しっとりとした深みのある木材の経年変化を味わいたい人におすすめです。一方、ウレタン仕上げは、木材の表面にウレタン樹脂の塗膜を作ることで、耐久性と耐水性を高めます。汚れや傷がつきにくく、お手入れが簡単なので、日常的に使う家具に向いています。
美しい見た目を維持するには日々のメンテナンスも欠かせませんが、基本的には、柔らかい布で乾拭きするだけで十分です。ただし、オイル仕上げの場合は定期的にオイルを塗り直すことで乾燥やひび割れを防ぎ美しい状態を保てます。
また、直射日光のほか、乾燥や湿気はサペリ材の劣化を早める原因となります。家具の設置場所には注意し、加湿器や除湿器などを活用して、適切な湿度を保つように心がけましょう。
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